マダニ

どうも「見習いキャンパー」のひー坊です。

春になるとよくニュースや新聞で取り上げられる「 マダニ 」ってご存知ですか? 今や街中の公園や河川敷など、私達の生活圏内に生息しているにも関わらず、咬まれると重篤な感染症を発症することもある危険な生物です。

なかでも重症熱性血小板減少症(SFTS)という感染症の致死率は6.3%~30%程度と非常に高く、このウイルスに対する有効なワクチンや治療法は現在のところ確立していないそうです。

以前からマダニのニュースを見て気にはなっていたものの、子供とキャンプに行き始めるまで正直、マダニから身を守るための対策や咬まれた時の対応など全く知りませんでしたし、考えてもいませんでした。

子供の頃は学校から帰ると毎日山に入り、魚釣りや虫取りに明け暮れていましたが、気を付けていたのは「マムシ」や「スズメバチ」だったと思います。当然、草むらや藪の中にもガンガン入ってました。。

当時、周りの大人も含めてマダニが危険という感覚はなく、葉っぱの先に付いてる血を吸う小さな虫ぐらいの認識でした。 マダニが一部の危険な感染症を媒介していると分かったのは最近のことなので、以前は発症しても原因不明の病気として片付けられていたのかもしれません。

知らないって本当に怖いですね・・・

アウトドアやキャンプにおけるマダニ対策は今後ますます重要になると思います。 というか、絶対に避けては通れないものになります!!

マダニ被害が増えるこれからの季節、少しでも安心して外遊びができるように。 また、万が一にも咬まれた時、正しい対処方法を覚えておくことで、自分だけでなく大切な家族や友人を守ることができるかもしれません。 キャンパーの最低限の知識として是非覚えておきましょう!!

まずはマダニってどんな生物なのか? 生態を知ることがマダニ対策の重要なポイントになってきます。

Contents

マダニ の生態

マダニとは?

マダニはクモ網ダニ目マダニ亜目マダニ科に属するダニ類の総称です。 現在、日本には47種のマダニが生息しています。 ダニと聞くと布団や畳の中に住む小さなチリダニを想像しますが、マダニは全く別の種類の生き物で、住む場所も生態も違っています。 マダニはチリダニと比べて非常に体が大きく、通常時でも3~8mm程度もあり、肉眼でもハッキリと確認することができます。 通常時でも比較的大きなマダニですが、吸血後には10~20mmにもなります。

▼キチマダニ
キチマダニ大きさ:概ねオス3mm、メス2.4mm
分布:北海道~九州の比較的高度の低い山頂部に生息
活動時期:関東以西の温暖な平地では真冬でも活発に活動

▼フタトゲチマダニ
フタトゲチマダニ大きさ:概ねオス3mm、メス2.5mm
分布:日本全土。平地に多く、都市部でも見られる
活動時期:5~10月頃

▼ヤマトマダニ
ヤマトダニ大きさ:概ねオス3.2mm、メス2.3mm
分布:屋久島以北の日本全土。特に東北、北海道の山岳地帯に多い
活動時期:2~9月と比較的長い期間活動

▼シュルツェマダニ
シュルツェマダニ大きさ:概ねオス3.2mm、メス2.5mm
分布:主に北海道~東北地方、中部地方の山岳地帯に多い
活動時期:5~9月が活動のピーク

マダニの特徴

マダニは8本脚からなる節足動物で、昆虫よりもクモやサソリに近い生き物です。 頭、胸、腹が一体で胴体部となり、胴体部の前方には口器である顎体部があります。 また、胴体部の外皮を覆う硬い組織(殻)が特徴でマダニ科のダニは硬ダニ(hard-tick)と呼ばれています。

マダニの生息場所

マダニはシカやイノシシ、野ウサギなどの野生動物が住む山や森林、草地などに多く生息しています。 しかし近年は公園や河川敷、田んぼのあぜ道、民家の裏庭など、私たちの身近な生活圏にまで生息域を広げ問題になっています

マダニの吸血方法

マダニはタマゴからかえると幼ダニ、若ダニ、成ダニへと成長しますが、この成長する過程と産卵のために、ほ乳類から吸血をおこないます。 吸血の方法は草や木の葉の先端で動物を待ち、動物から発せられる二酸化炭素や体温、体臭、物理的振動などに反応して、草の上から動物の体に乗り移ります。

上手く乗り移ったあとは、口器という鋏のような形状をした器官を動物の表皮に刺し入れて吸血をおこないますが、この時、血液が固まらなくするために唾液を出します。 病原体を保有しているマダニの場合、この唾液の中に病原体が含まれているようです。 また、咬着してしばらくするとセメント様の物質を出して皮膚に固定します。 このためマダニの吸血時間は極めて長く、成虫の場合は6~10日に達するようで、この間に約1mlに及ぶ大量の血液を吸血します。

※ヒトに吸着した場合、数時間体表を歩き回った後、主に脇の下や脇腹、太もも内側などの比較的皮膚が柔らかい部分に咬着すると言われています。

▼ヒトに咬着したマダニ
ヒトに咬着したマダニ

▼吸血前後
マダニ吸血前後

マダニの活動時期

マダニは3~4月頃から増加しはじめ、10~11月頃までが本格的な活動期となりますが、中には冬季に活動する種類もいるようです。

マダニが媒介する主な感染症

マダニ類あるいはダニ類の持っている細菌やウイルス、その他で発症する病気は世界中で多数確認されていますが、日本で特に発生の多い「日本紅斑熱」、「ライム病」、「ツツガムシ病」の3疾患に加え、新しいウイルス感染症である「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について詳しく調べてみました!

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に中国で初めて特定されたSFTSウイルス(ブンヤウイルス科フレボウイルス属)によって引き起こされるダニ媒介性感染症です。 通常SFTSウイルスを保有しているマダニ(フタトゲチマダニなど)に咬まれることによって感染しますが、感染者の血液・体液との接触により人から人への感染も報告されています。

日本では2013年1月に岡山県でSFTSウイルスによる症例(2012年秋に死亡、最近の海外渡航歴なし)が初めて確認されており、その後は西日本を中心に毎年60~90例の感染者が報告されています。 SFTSウイルスを媒介すると考えられているマダニ類は国内に広く分布するので、全国どこにおいても発生する可能性のある感染症と考えられます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の症状

SFTSウイルスに感染すると6日~2週間の潜伏期間を経て、発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、また皮下出血や下血などの出血症状を起こし、重症の場合は、死に至ることもあります。 致死率は6.3%~30%と非常に高く、治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンは今のところありません。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の予防と治療法

予防のためのワクチンは開発されていないため、マダニの刺咬を防ぐことが重要になります。 また、ヒトからヒトへに感染する接触感染経路があるため、医療機関においては院内感染防止のための予防策が重要です。治療については、リバビリン(主にC型肝炎ウイルス治療等で使用されている抗ウイルス薬)使用の報告はありますが、有効性は確認されていなく、基本的には対処療法を行います。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の感染症発生動向 (2018年6月27日現在)

■感染者数
354人(生存:292人、死亡:62人)
※致死率:17.5%

■発症が多い時期(発生割合)
5月(22.7%)、6月(17.5%)、7月(17.2%)、8月(12.6%)、10月(7.8%)、4月(7.1%)、9月(6.8%)、11月(3.6%)

■症例届出が多い地域
宮崎県(56例)、鹿児島県(35例)、山口県(34例)、高知県(34例)、広島県(26例)、愛媛県(26例)、長崎県(24例)、徳島県(24例)、和歌山県(14例)、福岡県(12例)、大分県(12例)、島根県(11例)、熊本県(9例)、三重県(7例)、佐賀県(6例)、京都府(5例)、岡山県(5例)、香川県(5例)

出典:国立感染症研究所ホームページより

 

日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)

日本紅斑熱とは

日本紅斑熱は、リケッチア・ジャポニカ( 日本名 : 日本紅斑熱リケッチア )という細菌によって発症する病気で、病原体を保有するマダニに咬まれることで感染します。 発熱や頭痛、発疹などが主な症状です。 春から初冬(4月~11月)にかけて多く発生しますが、真冬を除いてほぼ1年中感染する可能性があり、全国では毎年100人以上の患者が報告されています。 1984年に岡山県で初めて「日本紅斑熱」が確認されました。

日本紅斑熱の症状

感染マダニに咬まれてから2~10日の潜伏期を経て、頭痛、発熱、倦怠感を伴い急激に発症します。 発熱、発疹、刺し口(ダニに刺された部分は赤く腫れ、中心部がかさぶたになる)が特徴的な3つの症状です。 米粒大の紅斑(紅い斑点)は高熱とともに四肢や体幹部に拡がっていきます。 紅斑は痒くないのが特徴的です。 治療が遅れれば重症化や死亡する場合もあります。

日本紅斑熱 症状

日本紅斑熱の予防と治療法

予防のためのワクチンは開発されていないため、マダニの刺咬を防ぐことが重要になります。 治療にはテトラサイクリン系の抗菌薬を使用します。 高熱などの重症例ではテトラサイクリン薬とニューキノロン薬の併用療法が推奨されています。

ライム病

ライム病とは

ライム病はライム病ボレリアというという細菌によって発症する病気で、病原体を保有するマダニに咬まれることで感染します。 感染すると病期が3期あり、ステージが進むほど重篤な症状が出現します。 感染初期では遊走性紅斑、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様症状が現れることがあります。 欧米では年間数万人のライム病患者が発生し、報告数も年々増加しています。 日本では1986年に初のライム病患者が確認されて以来、現在までに数百人の感染者が、主に本州中部以北(特に北海道および長野県)で報告されています。 ライム病ボレリアがヒトに感染するまでには36時間~48時間以上の吸血が必要とされています。

ライム病の症状

感染初期(第一期)

マダニの咬着より数日から数週間後に刺咬部を中心に大きな赤い斑点(遊走性紅斑)が現れるのが一般的です。 通常、この紅斑はゆっくりと直径50センチほどに広がり、しばしば中心だけ色が抜けた複数の輪郭が発生します。(遊走性紅斑に痛みやかゆみはない)また、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザに似た症状を伴うこともあります。 紅斑が出ない場合(無症状な人が約25%いる)はインフルエンザや風邪と間違えられやすいので注意が必要です。

▼上腕部に現れた遊走性紅斑

播種期(第二期)

細菌が全身に広がることで発症数週間~数ヵ月後に二期症状に陥ります。 疲労感、悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、痛みを伴う関節の腫れが数週間続きます。 また、治療を受けていない人の約半数に体の他の場所に小さめの遊走性紅斑ができます。 二期においてはより重篤な症状が生じることもあり、皮膚リンパ腫などの皮膚症状、髄膜炎やベル麻痺(顔面の片側、または両側の筋力低下)などの神経症状、不整脈や心筋炎、心膜炎などの心疾患が起こることがあります。

慢性期(第三期)

感染から数ヵ月~数年後に播種期(第二期)の症状に加え、いくつかの大関節(特に膝関節)に腫れと痛みが繰り返し起こります。 また、膝の裏側に嚢胞(のうほう)ができて破れることもあり、急激に痛みが強くなります。まれに慢性脳脊椎炎などの重篤な症状が出現することもあります。

ライム病の予防と治療法

予防のためのワクチンは開発されていないため、マダニの刺咬を防ぐことが重要になります。 治療には有効な抗菌薬があり、ドキシサイクリンもしくはテトラサイクリンが用いられます。

ツツガムシ病

ツツガムシ病とは

ツツガムシ病はオリエンティア・ツツガムシ(つつが虫病リケッチア)という病原体を保有するツツガムシの幼虫に咬まれることで感染します。 ツツガムシの幼虫は0.2ミリほどの大きさで肉眼で確認することが難しく、刺咬されてもほとんど痛みや痒みを感じることがありません。 頭痛、39℃以上の高熱、悪寒、発疹が主な症状です。 かつては山形県、秋田県、新潟県の河川敷だけで夏期に発生する風土病であったが(古典型)、戦後に新型ツツガムシ病の出現により北海道、沖縄などの一部の地域を除いて全国で発生しています。 現在は春~初夏(5月~6月)および秋~初冬(11月~12月)の2つの発生ピークがみられ、年間500件ほどの感染者が報告されています。 治療が遅れると重篤化しやすく、致死率も高い感染症です。

▼ツツガムシ
ツツガムシ大きさ:概ね0.3~0.5mm
分布:北海道と沖縄等一部の地域を除く日本全域に分布
活動時期:4~12月頃

ツツガムシ病の症状

リケッチアを保有するツツガムシに咬まれると、5~14日の潜伏期後、39℃以上の高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的なダニの刺し口が見られ、その後数日で体幹部を中心に発疹が見られるようになります。 また、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感も多くの場合に出現します。 放置するか治療が遅れれば、脳炎、肺炎の合併や播種性血管内凝固(DIC)や心不全を起こし、致命的になることがあります。

▼特徴的な刺し口
ツツガムシ 刺し口

▼発疹
ツツガムシ病 症状

ツツガムシ病の予防と治療法

予防のためのワクチンは開発されていないため、ツツガムシの刺咬を防ぐことが重要になります。 治療にはテトラサイクリン系の抗生物質が有効です。 使用できない場合はクロラムフェニコールが用いられます。

 

ポイント
いずれの疾患も、症状には個人差があり、ダニに刺されたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くあります。 見た目だけでの診断が困難です。治療が遅れれば重症化や死亡する場合もありますので、早めに医療機関に相談しましょう。
受診時には、①○月○日、キャンプに行った。 ②○月○日、草むらで作業した。 ③その時、ダニに刺されたかもしれない。 など日付け、場所、発症前の行動(2週間程度)を伝えましょう。

マダニから身を守る5つのポイント

1.肌の露出を少なくする。

マダニが潜んでいる可能性がある場所に出かける時は、出来る限り肌の露出を少なくしましょう。 長袖、長ズボンを着用することは勿論ですが、草むらや山林に入る場合は以下の対策を行うとマダニに入り込まれる危険が少なくなります。 暑いからといって、半ズボンやサンダル履きのような軽装で草むらに入らないようにしましょう。

  • 首にはタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着用しましょう。
  • 山林に入る場合は、ズボンの裾に靴下を被せましょう。
  • シャツの袖口は軍手や手袋の中に入れましょう。
  • シャツの裾はズボンの中に入れましょう。
  • ズボンの裾は長靴やブーツの中に入れましょう。

2.無闇に草むらに入らない

マダニは草むらに潜み、そばを通りがかった獲物(動物・ヒト) に飛び移る機会を狙っています。 無闇に草むらや藪の中に入らないことは勿論ですが、できるだけ草木に直接触れないようにすることが肝心です。 草の上に座る場合には直接座るのではなく、レジャーシートなどの敷物を準備して、その上に座るようにしましょう。 また、脱いだ洋服やタオルを無闇に草の上に置いたり、木に掛けたりすることも止めましょう。

3.虫除けスプレーを使う

虫除けスプレーに含まれるディートという成分がマダニの忌避剤になることがわかっています。 洋服や靴の上、あるいは肌の露出部分にしっかりとスプレーを塗布して、マダニの付着を防ぎましょう。 ただし、ディートは汗などで流れやすいため、定期的に何度も塗布する必要があります。 効力が持続する時間はディートの含有率により変わってきますが、大体1 ~3時間程度と言われています。

また、国内で承認認可されたばかりのイカリジンにもマダニ類に対する忌避効果があることが分かっています。 イカリジンはディートより効力持続時間が長く、6時間程度はもつと言われています。 ディートと違って年齢による使用制限もありませんので、小さなお子様にも安心して使用できます。 その他、テントを張る前にサイト周辺にマダニ予防駆除用の薬剤を散布することもおすすめです。

忌避剤 ディートとイカリジンの比較▲出典:国立感染症研究所HP

4.服装は着替える

衣服等に付着したマダニ類が、野外から屋内へ持ち込まれる場合もあります。 そのため、マダニ生息地から帰宅したら、すぐに衣服を脱いで着替えましょう。 脱いだ衣服はすぐに洗濯して乾燥機に入れることが望ましいです。 マダニ類は乾燥に弱いため、よく乾かすことで確実に殺すことができます。 自宅に乾燥機が無い場合は、コインランドリーの利用をおすすめします。 また、野外で着用した着替え済みの洋服やマダニが付着している可能性があるもの(レジャーシートや布製のファニチャー類など)を持ち帰る際は、マダニが車内に這い出さないよう、ビニール袋などに密閉して持ち帰りましょう。 その他、宿泊する場合は昼間活動した洋服を着替えず、そのままの格好で就寝することも絶対に止めましょう。寝ている間に咬刺されてしまいます。

5.帰宅後はすぐに入浴し全身をチェックする

マダニが生息していそうな場所に行ったあとはお風呂で全身をチェックしましょう。 咬み付く前のマダニが身体に隠れているかもしれませんし、咬まれていても発見が早ければ感染症になるリスクを減らす事ができます。 ダニが咬む場所は基本的に全身ですが、特に咬まれやすいのは皮膚の柔らかい場所になります。「 お腹から股」「脇腹から二の腕」などは入念にチェックしましょう。また、背中や首裏、頭部など、自分で確認出来ない場所は、家族など他の人に見てもらうといいでしょう。

マダニに咬まれた時の対処法

咬まれると感染症を発症する可能性があるマダニ。 できれば咬まれたくないですが、十分に気を付けていても咬まれてしまうことがあるかもしれません。 万が一咬まれてしまったら慌てずに対処しましょう。

できるだけ早く取り除く

マダニに咬まれてしまった時、一番大切なことは、できるだけ早く取り除くことです。 前述のとおり、マダニは様々な感染症を媒介します。 こうした感染症の病原体は、ヒトの体内へすぐに侵入するわけではありません。 病原体の種類によって時間は異なりますが、マダニが皮膚に咬みついてからある程度の時間(ライム病なら36~48時間)が必要です。 そのため、マダニを早く取り除けば、それだけ感染のリスクを減らすことができます。 また、咬みつかれて時間が経つと、マダニの唾液腺から分泌されるセメント様物質により、マダニの口器が皮膚へ強固に固着します。 こうなってしまうと、マダニの除去はいっそう難しくなります。

無理やり取るのは絶対にNG

蚊やブヨなどの虫に刺されたら、多くの人は一刻も早く取りたいと思い、手で払ったり叩いたりする人が多いと思います。 自己防衛のための人間の本能ですよね。 でもマダニに咬まれた時は手で払ったり、無理やり剥がしたりすることは絶対にNGです。 何故ならマダニは皮膚深くにその鋭い口器を刺し込んで吸血するからです。 そのため、マダニを無理に引きはがそうとすると、口器の一部が皮膚の中に残ってしまい、そこから化膿してしまう危険性があります。 また、マダニを強く掴んだり、潰したりすると、マダニの体液が逆流して私たちの身体へ入り込んでしまう可能性があります。 マダニの体内には危険な病原体が潜んでいることがあるため、感染症のリスクが高まります。

病院を受診する(推奨)

マダニに咬まれていることに気づいたら、最寄りの皮膚科や外科を受診し除去してもらいましょう。 前述の通り、自分で無理やり取り除こうとするとマダニの一部が体内に残ってしまう可能性があり、あとから炎症や感染症などの病気を発症する原因になります。 病院によっては、処置ができないと断られる可能性があるので、事前に電話等で問い合わせて、マダニの除去および治療が可能かどうか確認してから受診するようにしてください。 多くの場合、局所麻酔をしたあと小切開し、マダニの口器が体内に残らないよう処置をおこないます。

自分で取り除く

マダニに咬まれたらすぐに病院を受診することが一番確実で安全な方法になりますが、マダニの咬着に気が付いたのが夜間であったり、人里離れた山の奥ですぐに病院に行けない場合はマダニを自力で取り除く方法もあります。 あくまで咬着されて間もない場合(1~2日以内)の対応として自己責任の範囲で試してみてください。 なによりマダニの咬着に気が付いたあと、マダニを身体にくっつけたまま一晩を過ごすなんて気持ちが悪いですよね。

虫よけスプレーを使う

ディートやイカリジンが含まれている虫よけスプレーを脱脂綿や布などに染み込ませて、咬着中のマダニに被せます。 しばらくするとディートやイカリジンの成分を嫌ってマダニが自ら吸血を止めて皮膚から離れていきます。 それでも離れない場合は綿棒の先などでやさしく突っつくなどの刺激を与えると離れる可能性があります。 虫よけスプレーがない場合には、アルコール(消毒用エタノール)やイソジン、ベンゼンなどでも同様の効果が得られるようです。

ワセリン使う

吸血中のマダニに粘性のあるワセリンを厚く塗るとマダニが呼吸困難をおこし、30分程度でマダニが外れやすくなります。 ワセリン法は誰でも容易にできるので、咬着されて1~2日以内であればおすすめの駆除方法です。 ワセリンがない場合には、軟膏やハンドクリーム、バターなど油脂性成分のものなら同様の効果が得られるようです。

専用器具で取る

「ティックツイスター」や「専用のピンセット」などのマダニ除去専用の器具を使えば、マダニの体を潰すことなく簡単に安全にマダニを取り除くことができます。 何度でも繰り返し使用でき、小さめの器具なので、キャンプや登山などでマダニが生息していそうな場所に出かける際は、救急セットの中に入れておくと安心です。

 

 

重要
マダニに咬まれて2週間以内に発熱や頭痛、倦怠感や発疹等の症状が現れた場合は、マダニ媒介性感染症の可能性があるので、できるだけ早く感染症内科のある医療機関を受診しましょう。 その際、除去したマダニの個体があれば持参することが重要です。 マダニ媒介性感染症は診断が難しいものが 多いのですが、マダニの個体があれば診断のヒントにもなりますし、病原体の解析も可能になります。 除去したマダニはしばらくの間(最低2週間)、捨てずに必ず保管しておきましょう。

まとめ

マダニから身を守るためにはマダニの生態を知り、咬まれないための対策が重要です。 それでも咬まれた時には慌てず冷静に対処しましょう。

マダニに対する正しい知識が自分だけでなく大切な人の命を守ることに繋がります!

 

では、また!

 

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