どうも!ヒトシです。
これまでキャンプでは「オピネルナイフの8番」と「TBSナイブスのグリズリー」の2本を使用してきましたが、今回、3本目のナイフとして「モーラナイフのコンパニオンMG カーボン」を購入しました。
今更私が書くまでもありませんが、モーラナイフナイフは多くのキャンパーに愛用されているナイフです。
値段が安く、また取扱店も多く入手しやすいため、入門用ナイフとして紹介されることも多いですが、意外とビギナーからベテランまで幅広く使われている奥深いナイフでもあるのです。
今回はカーボンスチールのナイフを購入しましたので、そのまま使用しているとすぐに錆びてします。そこで「黒錆加工」という加工をナイフのブレードに施して、錆の発生を予防してみたいと思います。
モーラナイフ(MORAKNIV)とは
スウェーデン中部のモーラ地方は昔から痩せた土地で農作物があまり取れなかったので、豊富にあった木材と鉄を利用して家具などが盛んに作られ、作業に必要な道具としてナイフも作られるようになりました。1600年頃には切れ味の良いナイフが作られることで有名な地域となり、1891年にモーラ地方の郊外で後のモーラナイフの最初の工場となる会社が設立されました。
職人たちの手で伝統的に受け継がれてきた鋭い刃と握り易いグリップとを量産して組み合わせることで質の高いナイフを生み出すことに成功。赤い樺材で作られた印象的なグリップのナイフは現在でもナイフと言えばスウェーデンの多くの人がこのクラッシックモーラナイフを想いうかべる程、シンボル的な存在になりました。2005年には系列の2つの会社が合併してMora of Swedenとなり、創業125周年を迎える2016年にブランド名であるMoraknivを正式に社名といたしました。その品質はスウェーデン国王からも高い評価を受け、スウェーデンを代表するメーカーのみに与えられる王室御用達の認定を受けています。
(引用:moraknivオフィシャルHPより)
モーラナイフ コンパニオンMG カーボン
モーラナイフ コンパニオン仕様
■ブレード:約10.4cm(刃厚2.0mm)
■全長:約21.8cm
■ブレードマテリアル:カーボンスチール
■刃形:スカンジグラインド
■ブレード形状:ドロップポイント
■ハンドルマテリアル:ラバー
■ウエイト:約77g
■生産国:スウェーデン
モーラナイフを購入
モーラナイフ コンパニオンMG カーボンを購入しました。
キャンパーが最初に買うナイフとして、オピネルと人気を二分するナイフですよね。カーボンスチールのブレードは切れ味が良く、ラバーグリップでしっかりと握り込めるため、非常に使いやすいナイフだと思います。
ただ、ナロータングで刃厚が2.0ミリなので、バトニングなどの性能は無いに等しいでしょうね。モーラナイフはオピネルナイフでは少し荷が重いフェザースティックなどの軽い作業が向いていると思います。
黒錆加工とは
黒錆加工とは、人為的に黒錆を発生させて、赤錆から守る加工のことです。
簡単に言うと、「赤錆が発生する前に、黒錆でガードしよう!」ということ。
少し詳しく説明すると、錆びには「赤錆」と「黒錆」という2種類の錆があります。私たちが錆と聞いてすぐに思い浮かべるのは「赤錆」です。赤錆は鉄を腐食させボロボロにしていく性質があります。いわゆる悪い錆です。
一方、「黒錆」とは鉄の表面が四酸化三鉄(Fe3O4)の不動態酸化皮膜で覆われた状態で、この酸化膜があるおかげで赤錆の発生を抑える性質を持ちます。いわゆる良い錆です。
黒錆加工は塗装やメッキと違って化学反応を利用しているので、表面から剥離することはありません。とはいえ、黒錆加工をしていてもその効果が永久に続くわけではないので注意は必要です。
注意点
レモンやグレープフルーツ、パイナップルなどの酸の強い果物を切った後などは黒錆が取れやすくなるので注意が必要です。使用後は黒錆が取れてきていないか確認しましょう。もし、黒錆が取れてきた場合は、再度黒錆加工をしなければなりません。
それからステンレスには黒錆をつけることができません。炭素鋼のみ有効です。
モーラナイフの黒錆加工に必要なもの
- 黒錆加工するナイフ
- 紅茶(紅茶パックでもOK)
- クエン酸(レモン果汁やお酢でもOK)
- 容器
- その他、中性洗剤・オリーブオイル
モーラナイフの黒錆加工に挑戦!
手順
大まかな手順は下記の通り。
- ナイフを洗って脱脂する(研ぐ必要があれば最初に研いでおく)
- 濃い紅茶とクエン酸で加工溶液を作る
- ナイフを加工溶液に漬ける
- 溶液を洗い流し、乾燥させる
- オイルを薄く塗って完成!
作業自体は非常に簡単です。順に説明していきますね。
1.ナイフを脱脂する
少し熱めのお湯に中性洗剤を溶かして10分ほどナイフを漬け込みました。油分が落ちやすい状態を作ります。
次に中性洗剤でブレードを洗います。
新しいスポンジが無かったので、キッチンペーパーを使いました。普段食器洗いに使っているスポンジには油分が残っている可能性があるので使用は控えた方がいいです。
脱脂が出来ていないと、黒錆加工をした時にムラになるので丁寧に洗って下さい。洗ったら流水で中性洗剤を洗い流しましょう。
私は「洗い」と「流し」の作業を3回繰り返しました。洗った後はブレードの水分をキッチンペーパーなどで拭き取ってください。水分が残っていると5分ぐらいで赤錆が発生します。
(私は油断したおかげで・・後述します)
2.加工溶液を作る
次に加工溶液を作っていきます。
黒錆加工には紅茶などに含まれる「タンニン」という成分が必要になるので、鍋で茶葉を煮出して濃い紅茶を作ります。
私は約300mlの水に対して茶葉大さじ5杯を投入しました。水の量は使用する容器に合わせて予め測っておいた方が無駄がないと思います。
紅茶のパックを使う場合は、お湯100mlに対して1パックを入れる方が多いようです。
日東紅茶やリプトンが有名ですよね。10分ほど煮出してタンニンたっぷりの濃い紅茶を作りました。ちょっと味見をしましたが、罰ゲーム並みの渋い紅茶になっていました(笑)
茶葉が入っていても問題はなさそうでしたが、不織布を使って濾しました。
次に、先ほど作った濃い紅茶にクエン酸を投入します。クエン酸は小さじで2杯入れてみました。
お酢やレモン果汁を使用している方が多いようですが、私は自宅にあったクエン酸を使用しました。クエン酸はドラッグストアで購入することができます。
お酢を使う場合は、紅茶7に対してお酢3、もしくは紅茶8に対してお酢2の割合が多いようです。
分量についてはあまり神経質にならなくても良さそうです。私も完全に感覚で入れています。よく混ぜたら加工溶液の完成です!
3.モーラナイフを加工溶液に漬ける
ここで事件発生!
ナイフを加工溶液に漬けようと手にしたところ、ブレードの先端に赤錆が発生してるではないですか・・紅茶を濾してクエン酸を混ぜていた僅か5分ぐらいの間の出来事でした。水分をしっかり拭き取っていなかったとはいえ錆びるの早すぎです。
モーラナイフのカーボンスチールは非常に錆びやすいと聞いていましたが、ここまでとは少々驚きました。
ここまで錆びやすいとなると、モーラナイフに黒錆加工は必須かもしれません。
(この後、コンパウンドで錆を落として、脱脂からやり直しました。。)気を取り直して再開です。
事前に調べましたが、ナイフを2~3時間ぐらい加工溶液に漬ける方が多かったです。今回は3時間漬けてみたいと思います。このあたりは様子を見つつでいいと思います。
最初はこんな状態ですが、、
1時間経過したころには、ブレードから出た小さな泡でいっぱいになりました。何かしらの化学反応が起きているんでしょうね。
3時間後には加工溶液も濁っていて、ドブみたいな色になっていました。臭いを嗅いでみるとゴムを焼いたような独特の臭いがします。
ナイフは大丈夫なのか??少々不安になりました。
4.しっかりと乾燥させる
加工溶液からナイフを取り出すと、ブレードが真っ黒に変色していました!
乾燥させる前に流水で加工溶液をしっかりと洗い流します。まだ、黒錆は定着していないので、ブレードは絶対に触らないように注意してください。洗った後は水分の拭き取りも不要です。かるく振って水分を飛ばしましょう。この時、周りに人がいないことを確認しましょう!
- 黒錆はまだ定着していないのでブレードには触らない
- ナイフを振る場合は周りに人が居ないことを必ず確認する
ドライヤーを使ってブレードの水分を一気に乾燥させます。
乾燥したら、モーラナイフの黒錆加工は完了です!
モーラナイフの黒錆加工の完成
ビフォー
アフター
いかがでしょうか!?
しっかり脱脂をしたので黒錆がムラなくブレードに乗っています。
モーラナイフの黒錆加工は手順さえ守れば誰でも簡単にできます。もちろん炭素鋼(カーボンスチール)のナイフであれば、黒錆加工ができるので気軽にチャレンジしてみてください。
オピネルの黒錆加工が有名ですよね。
仕上げに薄くオリーブオイルを塗りました。
黒光りするブレードは、鬼滅の刃 炭治郎が持つ「黒い日輪刀」のようです。
今後のナイフ運用について
今後はこの3本を用途に合わせて使い分けしたいと思います。
上:TBSナイブス グリズリー(ブレード長:124ミリ)
中:モーラナイフ コンパニオン MG カーボン(ブレード長:104ミリ)
下:オピネル ステンレススチール No.8(ブレード長:85ミリ)
グリズリーはバトニングなどのハードな作業に。モーラナイフはフェザースティック作りなどの軽作業に。オピネルは食材を切ったり。いいバランスで運用できそうです。
モーラナイフ コンパニオンMGの刃厚は、オピネルNo.8と同じ2.0ミリ。刃厚が薄いスカンジグラインドなので、綺麗なフェザースティックが出来そうです。
それにしてもグリズリーの刃厚5.5ミリ(フルタング)は迫力が違います。
どんな時も頼りになる最強の1本です!
オピネル(OPINEL)ナイフについて詳しく解説しています。
どうも!「見習いキャンパー」のヒトシです。 最近、嫁さんの仕事も忙しくなり、なかなかキャンプに行けず悶々とした日々を過ごしています。 本当は1人でサクッとソロキャンプにでも行きたいんですけどね~ 嫁さんの許可が・・・ そ …
モーラナイフの黒錆加工 まとめ
ということで今回は「モーラナイフの黒錆加工」のやり方をご紹介しました。いかがだったでしょうか?
最初は少し面倒だなと思っていましたが、実際に黒錆加工をやってみると本当に簡単でびっくりしました。ナイフは手入れをすればするほど愛着も沸きますし、手にも馴染んできます。何よりも黒錆加工をしたナイフはかっこいいです!
黒錆加工は自宅にあるもので簡単にできますので、ナイフを買ったら最初に作業しておくのがオススメです。皆さんも、黒錆加工にチャレンジして赤錆から大切なナイフを守ってあげましょう!
私も手入れをしながらガシガシ使っていきたいと思います。
よろしければ他の記事も見て行ってくださいね。
では、また!
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